トム・ブレイディの逆転劇②

昨日は、逆転劇を起こした人の例として、アメリカンフットボールのトム・ブレイディ選手が、誰もが無理だと思っていた中で、10年100億円という超大型契約で更新を決めたばかりのエース選手を抜いて、試合に出るようになったことを書きました。

その後、ブレイディは、どんな試合でも最後まで諦めずにプレイをして、負けると思われていた試合をひっくり返すことを何度も行ったのですが、最も全米の記憶に残ったのは、2017年に行われたスーパーボウル(優勝決定戦)です。

事前の評判ではブレイディ率いるペイトリオッツが有利と思われていましたが、始まってみると、試合終了が近づいた第3クォーターの終わり近くの時点で28対3と引き離されていました。これは野球に例えれば、7回の裏が終わって13対1くらいの差で負けているような、絶望的な状況です。優勝決定戦の大一番の試合でそんな点差がひっくり返されたことは過去に一度もありません。サッカーでいえば、後半残り15分で5対1で負けているような状況です。

そのような中でも、ブレィディとチームメンバーは、ただベストのプレイをすることだけに集中。ファンもその空気を感じ取って、諦めずに、チームが再び栄光を手にすることを願って応援していましたた。

少し差を縮めて、最終第4クォーター残り10分の時点で28対12。僅かな可能性は見えてきましたが、それでも、限られた時間で連続してタッチダウンを4回決めなければならず、一つでも間違いがあれば即試合終了という状況です。野球でいえば9回表2アウトランナー無しの攻撃で13対5というような感じです。連打が続いて満塁ホームランが2回でれば同点に追いつけるけれど、一つアウトを取られればゲームオーバーです。

その後、素晴らしいプレイが続き、アウトだった判定がビデオ判定にもちこまれてセーフになったというようなドラマがあり、スーパーボウル史上最大の点差からついに同点に追いつき、延長戦で得点を決めて勝利しました。

最初から順調に得点を重ねて勝った試合よりも、圧倒的に人々の記憶に残る形で優勝を飾ったのです。

だから、今既に成績がよい人は、それは素晴らしいことで、もっと伸ばしてほしいですし、今成績が悪い人で、恵まれない困難な環境にいたとしても、諦めずに逆転劇を目指してほしいのです。

タグ .