要領がよい人になる

勉強でも何でも、できるだけ長い時間をかけた方が、成果が出ると考えてしまうかもしれません。

試験勉強であれば、この参考書も読んで、この問題集も解いて、これもやろうというように考えたり、スポーツであれば、甲子園で優勝するために、一日も休まず遊ばずに練習をするなどです。

 何かで成果を出すためには、必ず努力は必要なのですが、努力=単純に費やした時間ではありません。

いかに効率的に成果を出せるかということを考えることも努力です。効率を考えずにただひたすら時間をかけたとしても、それは逆に「考える」ことや「工夫する」ということをサボっているともいえます

例えば、勉強であれば、試験に合格しようとするときに、100点満点の試験で90点を取らないと合格しないという試験はほとんどありません。ですので、90点以上を目指して出来るだけ全て完璧にこなそうとしても、あまりにも時間がかかりすぎて、効率的ではないのです。

兄弟の中で、お兄ちゃんは、試験で90点以上を目指して教科書をくまなく理解するために1日4時間以上勉強をするとします。一方で、弟は、試験に効率的に合格するために出題傾向を調べて、焦点を絞った勉強を1日1、2時間行ってあとは好きなゲームを2時間して遊んでいます。

本質を考えないと、このような兄弟がいたとすれば、親や周りの評判では、お兄ちゃんは1日4時間以上も勉強して偉いし、テストの成績も90点で頭がよい。一方で弟は1日1〜2時間くらいしか勉強しないし、テストの成績も80点くらいで、いまいちだと思われてしまうかもしれません。

でも、見方を変えれば、実は本当に頭がよいのは弟の方なのです。

学生の間は、長い時間をかけて勉強をしてよい成績をとる人が優秀と思われるかもしれませんが、社会に出てからは、限られた時間の中で成果を出すことが求められます。仕事で活躍しやすいのは弟のようなタイプです。

 スポーツの世界でも同じことがいえます。日本の学校の部活では、できるだけ休まずにより長く練習して鍛えるというのが昔ながらの考えで、みんな一つのスポーツにできるだけ多くの時間をかけて打ち込みます。

一方で、アメリカの学校では、まず3ヶ月ほどの夏休みの期間中はそんなに練習をせずに夏もしっかり満喫して、シーズン期間中も一つのスポーツに専念するのではなく、秋はアメフトのシーズン、冬はバスケ、春は野球というように、一年間で3つのスポーツを経験します。

その結果を見ると、人口が日本の3倍多いことや、体格に恵まれているという要因もあるとはいえ、日本より少ない練習量なのに、オリンピックのメダル数は日本より多く、プロスポーツのレベルもとても高いですよね。

長く時間をかければよいという発想は捨てて、限られた時間の中で最大の成果を出すためには何に力を入れるべきなのか、どうすれば無駄な時間を減らすことができるのかなどを「考えること」「工夫すること」が重要なのです。

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